神奈川 湯河原温泉  おやど瑞月 (2007年5月泊)

2007年5月初め、連休谷間の平日に湯河原温泉のおやど瑞月に行ってきました。

連休中ののっぽさんの出勤状況が直前まで決定しなかったため、前日夕方にトクー(http://www.tocoo.jp)から
ネットで予約しました。
「おやど瑞月/1泊2食付きプラン(和室10畳)」で、2名1室で17,244円/人です。
それ以外にトクー会費が840円/人、入湯税が150円/人を加算して、2人で総額36,468円でした。

トクーは今回初めて使用しましたが、直前予約で割引になることが多いネット予約サイトです。
今回の瑞月は前日予約でもそれほどの割引率ではありませんが、若干(千円弱ぐらい?)お得なようです。
ただし、お宿のサイトでのチェックアウト時刻は11時となっていますが、トクーのプランでは10時半です(インは15時で一緒)。
それ以外の差はあるのか・・・わかりません(^^;


駐車場から撮った外観です。

自宅からほとんど渋滞もなく約2時間で到着、
同じ神奈川県内の湯河原はやはり近いです。

温泉街を抜けたあと、左折するのですが
そこからはかなりの急坂でちょっとドキドキ。
坂を上がってくると、落ち着いた佇まいの建物が
左手に見え、駐車場に看板もありました。

ちょうど15時を過ぎたところ、早速宿へ向かいます。

全5室の小規模なお宿ですが、なかなか立派な門構え。
門の中の敷石には打ち水がされています。

ラウンジの様子。テレビの脇のラックには新聞もありました。

その脇の凹凸のある障子風の仕切りの裏が
玄関の土間部分になり、ここで靴を脱ぎます。
スリッパは中が畳敷きで、履き心地のいいものでした。

このラウンジの対面部分にフロントのカウンターがあり
そこで宿帳の記入をします。
チェックインおよびアウト時は、若主人が対応してくれました。

(とあるサイトの情報で「若主人はジャニーズ系のイケメン」とありましたが
 ホントにそうでした〜)

宿帳の記入を済ませたら、そのまま若主人がお部屋へと
案内してくれました。
荷物を持つことはありませんでしたが、
私達は持ってもらわないほうが気楽です。

ラウンジから続くダイニングの様子。
朝食をここでいただきます。
右手の壁のくぼみには、立派な胡蝶蘭がありました。

正面の階段を上がると2階に3部屋、
下がると1階に2部屋と男女別のお風呂があります。
私達は、1階の階段を降りてすぐの「ききょう」でした。

お部屋の案内にあった
館内図。
2階のさくらが広く
それ以外は同じ間取りです。
たぶん2階のほうが
眺望はいいのでしょう。

トクーだから1階なのかと
思っていましたが、
トクーの口コミを見ると
同日宿泊でトクー利用者が
他にもいたので、
部屋割りは運のようです。

でも私達の泊まった1階は
お風呂に近くて便利だったし
隣が空室で静かだったので
それもまたよし、かな。

窓が大きくて明るいお部屋です。民家が目に入りますが。。。
広めの広縁。欄間にあたる箇所には蝶の彫り物がありました。

テレビは壁のくぼみに納められ、エアコンも内蔵タイプで
部屋に余分な凹凸が無く、すっきりとして清潔感があります。
お部屋10畳+床の間+飾り棚部分1畳で、広く感じます。
床の間の絵は、部屋にちなんで桔梗でした。

床の間の生け花のアップ。
天井は扇をモチーフとしているのでしょうか。

飾り棚には内線専用電話機と、ステンドグラスの照明が
ありました。
照明を灯してみました。桔梗とススキ、萩が描かれ
秋の満月を模しているようです。

立った状態で、窓から左手の眺望。駐車場と、その奥には
山並みが見えます。
同じく正面。この写真の下の部分には民家がありますが、
ちょうど屋根の上部分で切れているのでわかりませんね。

同じく右手の眺望。斜面に建つ宿ですので、民家の屋根も
右側は低くなり開けてきます。
右奥は見渡すことができます。眺めを優先させたい場合は
(部屋の指定ができるなら)2階にするのがいいかも。

お部屋の前は狭い空間ですが、坪庭風にしつらえてあります。
この写真は隣のはぎの部屋の方向を撮ったもの。
奥の竹垣の向こうが男性用の露天風呂にあたります。

広縁に冷蔵庫や電気ポットが
あります。
こういったものがすべて棚に
収納されているため
整然とした印象になりますね。
タオル掛けの上の木の扉は
三面鏡です。

冷蔵庫は自動課金タイプで、
空きスペースはあまりないです。
ポットの右のひし形の窓の中は
グラス類、その下がお茶セット。

冷蔵庫の対面にクローゼット。2人で使用するには充分なスペースです。
浴衣と帯、お風呂セットの他にたびがありました。
バスタオルは1人1枚ずつですが、最近泊まった宿の中では
肌触りが柔らかめで心地よい使用感でした。

のっぽさんは特大サイズの浴衣に変えていただきました。
が、(よくあることですが)それでも丈は短かったです(笑)

それもあって、のっぽさんは寝る時以外はあまり浴衣を着ないんですけどね、
今回は気温が高くてお風呂上りに暑かったこともあり、珍しく浴衣を着ました。
でも夕方になって冷えてきたら、その下にジャージはいてました。
私がお風呂に行ってる間に夕食の準備に見えた女将さん&若女将に笑われたそうです(^^;

広縁のテーブルはタイルがはめ込まれたお洒落なもの。
椅子のすわり心地もなかなかよかったです。
一輪挿しには菊が飾られていました。

お部屋に案内された後しばらくして、
女将さんがお茶とお迎え菓子を持ってきてくださって
このテーブルで頂いたのですが、写真がありません。。。
緑茶とかるかん饅頭、お絞りもありました。

左の写真:
お部屋入り口。
左手が洗面所とトイレです。
そこへは土間部分に1歩
踏み出す動線になるのですが
ちょうどその1歩のところに
切り株があって渡れるように
なっています。
ちょっと楽しい仕掛けです。

右の写真:
洗面所。
部屋に内風呂はないので
アメニティはハンドソープのみ。
ペーパータオルがあるのが
便利です。
ここにも生花が飾られています。

左の写真:
トイレはウォシュレット。
ペーパーホルダーは2つあり、
スペースにも余裕があります。


右の写真:
トイレにも生花が飾られて
いました。
隣の瓶は芳香剤のようですが
made in ITALY のもので
強すぎずほのかないい香り
でした。

お宿のサイトには「貸切風呂も柔軟に対応いたします」との記述がありましたので、
お迎え菓子を持ってきてくださった際に女将さんに聞いてみました。
「この後すぐでしたら、女湯のほうを貸切風呂でどうぞ」とのことでしたので、
お菓子を頂いたあと早速お風呂へと向かいます。「女湯」の札を裏返して「貸切使用中」にしてありました。

引き戸に鍵はかかりません。洗面台は2つ。
ドライヤーも2つあり、シャワーキャップやレザーもあります。
洗面台にも生花が飾られています。
脱衣カゴは6つ。この規模のお宿なら充分でしょう。
湯上り時に休めるベンチもあり、スペースに余裕があります。
風流な桜模様のすりガラスの向こうがお風呂です。

左の写真:
内風呂の続きに露天風呂。
開口部から5月の爽やかな
風が吹き抜けます。

右の写真:
かけ流しなので、お湯が
浴槽の縁から溢れ出ています。
4人ぐらい入れる広さかな。

建物の角にあたるので
2面に窓があり、明るく
風通しも申し分なし。

お湯の注ぎ口からは、4本流れ出ています。
微妙に温度が違うようなので、これで調節しているのかも。
カランは3つ。あまり混雑しないと思うのでこれで足りるのでは。
シャンプー・リンス・ボディソープと黒い石鹸(炭のかな?)あり。

露天風呂は岩組みで、ここも4人ぐらいゆったり入れる広さ。
半身浴できそうな岩がいくつかあります。
昼間はちょっと熱めでしたが、夜は適温でした。
のっぽさんが入浴中。大きさの目安に登場してもらいました(笑)
植え込みが切れている部分から遠くが見渡せますが、この
写真だと明るすぎてわからないので、別に下に載せますね。

入浴時目線。木々の後ろが明るすぎて画像がはっきり
しませんが、遠景には山並みが見えてなかなかいいです。
正面には大きな紅葉の木(目隠しを兼ねているのかも)。
色づく秋もまた素敵なのでは。

上の写真だと、光の加減で
遠景がわかりにくいので、
翌朝の写真を追加します。
(入浴時目線よりは高い
立ち位置からの撮影です)

左の写真:
上に載せたのっぽさん入浴中の
写真の植え込みの間からの遠景。
遠くに建物がありますが、
全然気にならない距離です。

右の写真:
同じく上の紅葉の木の左部分。
民家の屋根は見えますが、
向こうから見える心配はないと
思います。
これだと遠くの山がわかるかな。

温泉の成分表(文字が読める大きさにするため部分的に抜粋)。

ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉 とのことですが
私達が入った時は、ほのかに硫黄の香りがするような気もしました。
源泉100%かけ流しで、もちろんまったく塩素臭もなく、
「久しぶりにいいお湯に入ったな〜」と実感できました。

よくテレビの旅番組で「お肌がつるつる〜」と女優さんが
コメントしてたりしますけど、ホントにそんな感じです。
実は、今までお湯の質にはあまりこだわりがなかったのですが
「やっぱり違うもんなんだ」と、ちょっと開眼したかもしれません(ё_ё)

開眼遅すぎ・・・?ですよね(^^;
でも、矛盾するようですが、今後もそれほどかけ流しにはこだわらずに
温泉巡りをしていくと思います。お湯の湧出量も場所によって違いますしね。
かけ流しならラッキー♪ってぐらいでしょうか。

お風呂を出たところには、湯上り処があります。

左の写真:
奥左手、赤い暖簾が女湯です。
湯上り処の座卓の左手に、青い暖簾の男湯が
あります。

右の写真:
座卓と座布団4枚。
他の人と一緒だと少々狭く感じるかもしれませんが
私達はいつも貸切状態でした。

左の写真:
湯上り処の窓から見える
坪庭も風情があります。
窓際には生花が飾られ
うちわも用意されています。

右の写真:
ここのポットには冷たい
レモン水が用意されていて、
湯上りの喉を潤してくれます。
グラスもよくある円筒形ではなく
ちょっとお洒落なデザイン。
こういった細部にもこだわりが
感じられました。

23時過ぎに行った時はレモン水のポットが
からっぽでちょっと残念でした。。。
でも家族で切り盛りしている宿のようなので
しょうがないかなと思います。

男湯が空いていたので、のっぽさんが写真撮影に行きました。
右手の花が立派なので造花?と思いましたが生花でした(^^;
ほぼ女湯と同じ造りですが、女湯よりは少し狭い感じです。
脱衣カゴは同じく6個あり、木のベンチもあります。

洗面台やドライヤーは2つずつ。女湯にもあったヘチマ化粧水に加えて
アフターシェーブローションもありました。観葉植物と生花もありました。
こちらも浴槽の縁からお湯が溢れています。
窓が一方なので女湯より若干暗いかな。

女湯より少し狭いようですが、3人はゆったり入れそう。
大体女性のほうが長風呂ですから、これでいいのでは。
カランは3つ。備品は女湯と一緒ですが違うブランドでした。
あと、桶と椅子がこちらはプラスチックでしたね(女湯は木)。

露天風呂も女湯と同じ岩組み。女湯との間にL字型の囲いが
あるので、眺望もちょっと狭くなるようです。
露天風呂からの目線(入浴時よりは高い位置から撮影)。
木々の間からは遠くの山並みが見えます。

部屋のドアを出たところから見た大浴場方向。
青いのれんの奥がお風呂エリアです。
その手前左のドアが隣の「はぎ」の入り口。
左の写真の右側はこのような中庭になっていて、サンダルを履いて
出ることができます。左手のつくばいは飲泉所(飲んでみませんでしたが)。
今の時期はいいですが、真冬など部屋やお風呂から出ると外では寒いかも?

お迎え菓子を頂いた際に、「夕食は18時過ぎにご用意します」との案内がありました。
夕方、足が冷えてきたので17時半ごろお風呂へ行こうとしたら、貸切使用中で入れませんでした。
しばらくして空いたとの連絡があったので、私はお風呂へ。のっぽさんはお昼寝中でした。
その後すぐに前菜などを運んできたそうです。実際の食事開始は18時10分過ぎでした。

最初に並べられた前菜6種盛り (真ん中は鮑の煮貝、
その左は空豆、柚子の蓋の中はサーモンと大根のマリネ、
お品書きがなかったので、よくわかりません。。。)
巻きす?の上に並べるセッティングもお洒落です。
鯛のしゃぶしゃぶ。ポン酢でいただきます。
私達夫婦は初体験の味でしたが、生とはまた違うおいしさが
味わえました。椎茸の下にある白い板状のものはお餅です。

食事開始後、しばらくしてお造りが運ばれます。
イカ、白身、マグロ、海老、サザエ、アジの6種(かな・・?)
「やっぱり新鮮なお刺身はおいしいね」と夫婦で満足。
左上:蟹や魚、貝などを白味噌のようなペーストで頂く小鉢(?)
左下:貝柱とくらげと山菜を和えたもの(?)
右上:タコ・高野豆腐・かぼちゃの炊き合わせ
右下:黒米と豚肉とフカひれの蒸し物。熱々で運ばれてきました。

焼き物はマナガツオの柚庵焼き。筍の木の芽味噌がけが
添えられてます。いつもの如くお酒を頂かない私達は、ご飯を
早めにとお願いしたので、ここで持ってきていただきました。
香の物も手を抜かず、野沢菜が美味。
天麩羅は揚げたてを、「はふはふ」とカレー塩で頂きました。
しし唐とレンコンのはさみ揚げ、すり身の包み揚げとサツマ芋。
カレー味は初めてでしたがなかなか合いました。
白味噌仕立ての汁物の具は湯葉です。

お酒を頂かない分ペースが早めの私達に、ぴったりの速さで次々に運ばれてくるおいしいお料理。
窓の外に目をやると、ちょうど満月が昇ってくるところ。(写真を撮っていたら、女将さんも月を教えに来てくれましたよ)
宿の名前「瑞月」は、お孫さん誕生にちなんで付けたそうです。辞書を見ると、瑞にはめでたいという意味があるのですね。

デザートはグレープフルーツとイチゴとスイカのゼリー寄せ。
底にはスポンジケーキも入っていて、手作り感があります。
器も冷え冷えで、「温かいものは温かく冷たいものは冷たく」
が徹底されていました。季節にあった藤の絵もいいですね。
特筆すべきはご飯の美味しさ!富山の契約農家のお米だそう
です。ほうじ茶をポットに入れて持ってきてくれ、このポットは
朝まで置いておいてくれるので、いつでも手軽にお茶が
飲めました。(そういえば冷水ポットはなかったですね)

食後、頃合いを見計らってお膳を下げにきてくれます。
(こちらから電話する必要がありませんでしたが、いいタイミングでした)

その後、そのまま女将さんと若女将とでお布団を敷いてくれました。
羽毛布団です。枕も低めで好みの感じでした。

この宿にかぎらず、のっぽさんにはどこでもお布団が短めなのです。
ですからいつも座布団を足して寝ます。(自宅でもそうです 笑)


この時、今日の宿泊は私達も含めてご夫婦3組とのことで、
「お風呂はずっと貸切で使用してください」とのお話が
女将さんからありました。

「うわー、ラッキーだね♪」
喜ぶ私達でした。

21時過ぎに行ってみたら、女湯が空いていたのでそちらに入ります。
夜の露天風呂(ちょっとぶれてます)。
だいぶ高くなった月を見ながらのんびり入浴。
夜の風も気持ちいい。

朝日の当たるダイニングで朝食 (開始時間は8時と8時半から選択できます)。
左から蟹のお味噌汁、ワカメと筍の煮物、温泉卵、青いお皿はかまぼこ・山葵漬け・たらこ・イカの塩辛、
右下はイカのお刺身、シラスおろし、海苔の佃煮、野菜サラダ、アジの干物、デザートのヨーグルト。
塩辛とか海苔の佃煮とか、旅館の朝食でよく出るものがとても美味しい。筍も味がしみていい食感でした。

10時半ちょうどにチェックアウト後、宿の近くに
ある不動滝へ。マイナスイオンたっぷり。。。
晴れ男&晴れ女の面目躍如の五月晴れ。
真鶴道路から見える青い海。いい休日でした。


実は今回のおやど瑞月、あまりによかったので「レポートはやめて内緒にしておこうかな?」なんて思いも
ちょっとだけ頭をよぎりました(笑) それほど満足感のある宿泊となりました。
もちろん、今回はお風呂を貸切で使えたという事情もあったとは思いますが、
程よいお部屋の設備と宿全体の清潔感、お湯のよさ、お食事のおいしさなど、私達夫婦にとっては文句なし。
普段1万5千円前後の宿が多いのですが、ちょっとだけアップした金額でこんなに満足できるのなら
今後はこのラインの宿も攻めていきたいな〜 と思いました(笑)。

お部屋にドライヤーを借りるために、21時前後にフロントに電話した際出ていただけなかったのは残念な点でしたが
家族で切り盛りしている宿ですから、しょうがないかなと思います。(その後ドライヤーは貸していただけました)

女将さんもとっても気さくな方で、楽しく会話ができました。
庶民の私達夫婦には、和服でかしこまってご挨拶してくださる女将さんより、寛いだ雰囲気で和やかに過ごせてよかったです。

いろいろ他に気になる宿もあるので再訪は先かもしれませんが、親と一緒に行くにもはずれのない宿だと思います。

【じゃらんネット】で瑞月を見るにはこちら

サイトのTOPページへ    温泉旅行のページへ
inserted by FC2 system